日記とか...(^^ゞ

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カメラが壊れたときの心理






2004/7/3
修理をしていて時々感じるのが、カメラを使っていて壊れた時の持ち主の心理です。
大抵は何とか動くようにならないかと努力すると思いますが、それが巻き上げ不良だったりすると、無理やり巻こうとするわけです、ちょっとたたいて見たりしてね、でもこれが怖いんです、そのまま修理すれば簡単に直る場合も多いのですが、これが原因で再起不能になる場合もあります。
私が経験した中で特に記憶にあるのがPENTAXのMXです、このカメラは巻き上げのラチェットの支点部分が弱いので、無理に巻き上げるとこの軸が折れて再起不能になります。

MXの典型的故障パターンは
幕糸外れ→幕の巻き上げ不良→幕損傷→ラチェット破損→ジャンク、と進みます。

糸が外れた時点で修理すれば比較的簡単に治りますが、ラチェット破損まで行くと修理業者に出しても修理不可で帰ってくることになります、そうなると部品取としてしか価値はないとなるわけです。
ここでさらに怖いのは、オークションなどでは何処まで進行していても、「巻き上げ不良」ですから、入札するときは見極めが大切です、私は最後まで行ってても治しちゃいますけどね。

完動品かジャンクか






2004/6/27
私は中古のカメラを買うとき、必ずジャンクから探します、完動品を買おうと思うことはないですね(笑)。
 私にとって完動品は壊れる前で、ジャンク品とは壊れた後であるというだけで、同じものだと思っているからです、それなら安いほうが良いでしょ(^^;修理も楽しめて、2倍楽しいですからね。

 よくオークションで、「オーバーホール済みなので安心」って説明を見かけますが、そんな事有り得ませんよ、せいぜい「割と安心」くらいでしょう、だいたいオーバーホールした理由は壊れたからだと思うしね。
 それでもME Superのダンパーのように故障することがほぼ間違いないような部分は交換すれば故障しにくくなる事は確かですが、故障はそこだけに発生するわけじゃないです、まあ自動車の車検みたいなものですね、ブレーキの踏み代を調整したって故障しないのとは別です。
 そもそも新品で買っても壊れるんだから、20年以上も前のカメラを分解して整備したからって壊れない保障は出来るもんじゃない、本当に部品一個までバラバラにして丹念に顕微鏡で傷を探してゴム類は小さなものまで全て交換して、20年以上のキャリアのある職人さんが組み立てれば、そうね2年くらいは安心かな、工賃50万円くらいでなんとかなるでしょうか?それでも電装なんか調べようもないですしね。
 節操もなく書いてしまいましたが、昔のカメラとは整備しながら付き合うのが正しいと思います、明日壊れるかもしれないけど、壊れたら修理して使う、道具って本来そういうものじゃないかな、近年の電化製品のように修理するより買った方が安いって言うのは悲しい現実ですね

近年のカメラと昔のカメラ






2004/6/23
何処で区切りをつけるかは難しいんですけど、いわゆるプラカメと金属カメラ的なものでしょうかね。
一般的に言われる性能的、また外観的な違いは当然有るんですが、それ以外に大きく違うことが有ります。
近年のカメラは組み立てる時に調整が必要ないような設計にしているんです、まあ電気的な調整は有るんですが、機械的な調整が極めて少ない。
 理由は当然コストの削減なんですが、部品の加工精度が良くなって調整の必要ない設計が可能になったと言えるでしょう。
そのために近年のカメラは同じ機種ならどれを取っても同じフィーリングになるわけです、レリーズはただのスイッチですしね。
その点昔のカメラは違います、調整する部分が非常に多い、MXなんてもう大変ですよ、調整箇所は両手でも数え切れませんからね、ですから私なんか調節してもなかなか思ったようにならないわけです。
 普通に考えるとシャッタースピードだけ調整すれば良いんですが(それだって充分大変です)、そこに巻き上げのフィーリング、レリーズの位置(深さ)、感触、音、ミラーショックなど、音にしても、巻き上げ音、レリーズ音、幕走行音、ミラーアップ音、ミラーリターン音など、言い出したらきりがない、まあ私はそこまでマニアじゃないからそこそこで満足するんですが、私のMXは2台とも巻き上げ不良のジャンクで入手したので、先日までオリジナルのフィーリングを知らなかったんです(^_^;) 2台とも違ったフィーリングだし(爆)
 こういうところが昔のカメラをいじる上での楽しみでもありますね。

 ちなみに私も装置の設計をしていますが、単純に組み立てただけで動く装置は設計しません、ネジを締めただけで位置が決まるような設計にすれば組み立ては楽ですが、それでは個々の部品の加工精度で装置の精度が決まってしまい、組み立て調整で装置の精度を極限まで上げることが困難になるからです。
 カメラも同じで、昔のカメラは納得いくまで手をかけて調整してやると良いですね、危ない人みたいですけど(^_^;)

YASHICA Mat 124 G






2004年5月27日
最近は目まぐるしい毎日で、さっぱりカメラなんて治す暇も無かったのですが、ちょっと時間があったので珍しく2眼レフの修理をしてみました。

このカメラは巻上げと同時にシャッターチャージが出来るタイプなんですが、チャージをするレバーが根元で折れてしまってチャージできないと言うことでした。
早速分解して見ると、レバーの支点近くでポッキリと折れています、いったいどんな力で巻き上げたんでしょうね?そもそもそんなに力のかかるところじゃないんですが、何とか巻き上げようとしたんでしょう、巻上げが出来なくなった状態のまま修理すれば簡単に治ったと思うんですが、この状態は致命的ともいえます。

通常ですとレバーが折れたような場合は当て板をハンダ付けしてやる程度でなんとかなるんですが、今回は狭い場所であるため、それも出来ません、で、作っちゃおうかとか、銀ロウ付けしようかとか色々考えたのですが、最終的に溶接することにしました。
支点のピンはカシメて有るので、ドリルで少し穴を開けてポンチでたたくと取れます、あとはレバーだけですから溶接はなんとかなるでしょう…って小さいから難しいんですが、まあ何とか溶接して磨いて支障ない程度になりました。
出来たレバーは再度ピンで止めますが、ドリルで穴の開いたピンでカシメ直します、当然穴が残るので、そこはハンダ付けで埋めれば完成(^_^)v

コレで大きなところは終りですが、組み立てて見ると巻上げがうまく行きません、それが原因でここまで壊してしまったんでしょうね、ここも何度か巻上げを繰り返して調整しました。
最後に露出計の調整をして終りです、なかなか質感の良い現代的な2眼ですね、試写が楽しみです。

PENTAX SP (ユキノフさんからの頂き物)






2004年5月6日
ちょうど一年ほど前になるんですが、ユキノフさんからジャンクのSPを頂きました、しかもバラバラで(^^ゞ、早い話が分解して組み立てが出来なくなった物をユキノフさんがジャンクで手に入れたらしいのですが、結局訳が解らないからと送っていただいたものです。
しかし私もSPの知識はなかったので、少し実力をつけてからと、仕舞い込んでいたのですが、先日SPの幕交換をしたので様子は分かると思って修理することにしました、左の写真が届いたままの状態です、欠品が無ければ良いのですが…。

よくよく調べて見るとバラバラといっても軍艦部と巻上げ部以外はほとんど分解されていません、本体側は巻き上げ不良のようです、幕も穴は開いていませんが、ゴムがテカっているので交換しましょう。
分解してから気がついたのですが、このSPは初期型のようです、ミラーチャージ部の構造が後期型と全く違うんですね、チャージ方向が反対なんです、ちょっと戸惑いました。

幕の交換とミラーボックスの清掃、注油でシャッターは快調に動作するようになりました、後は軍艦部の組み立てだけなんですが、前所有者が分解したときに色々壊してくれたようで、巻き上げレバーの戻りスプリングは根元で折れているし、カウンターのネジは頭が飛んでいるしで、苦労しましたが、何とか修理することが出来ました、この週末は試写が楽しみです(^_^)v

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