ME Superの分解 その3

             チャージ不良対策

ME Superの持病であるチャージ不良の対策です、たとえチャージ不良が発生していなくてもここまで分解したら必ず対策をしておきましょう、でないとまた分解することになりますよ。
 チャージ不良の原因は殆どの場合ここが原因ですが、他のレバー類も動作確認の上、必要に応じて分解、注油などを行ってください、時には巻き上げレバー部の動作不良もあります。




対策を実施する前に、チャージ不良の主な症状を解説しておきましょう。

症状 1
 巻き上げると巻き上げインジケーターはオレンジに変わるのにチャージされていないような感じで、巻き上げレバーがボヨーンと戻ってきてシャッターが切れない、。

この症状がME−Superに良く発生するチャージ不良です、この後の対策を実施すれば完治する場合がほとんどです。

症状 2
 巻き上げるとシャッターがきれてしまう。

大抵はレリーズからセルフタイマー部の作動不良(油切れ)です。

症状 3
 本体だけなら問題なく動作するが、レンズを付けると症状2と同じ現象が発生する。

ミラーBOXのチャージレバー部、または自動絞り作動レバーの動作不良などです。

症状 4
 ミラーの動きが遅い。

自動絞り作動レバーの動作不良、ミラーBOX底部のエアーダンパー内部のゴム部品の劣化などです。



それでは症状1と4の対策を解説します、症状2、3は別の機会に解説したいと思います。


赤丸の部分がチャージ不良の原因となる部分です、ネジの下に見えるい部分(ダンパーラバーです)が経年劣化で溶け出し、上のネジ部にワルサをして動かなくします。

 分解前に黄色丸部分の接合部の状態を充分観察し、元に戻せるよう頭に入れておいてください。

 さらにこの奥にもダンパーラバーが2個あります、できれば交換しておきましょう。
まずはネジを緩めましょう。
レバーを外します、このサンプルは比較的状態もよく、チャージ不良などは起こしていなかったので、見たところ大丈夫に見えますね。
しかしピンセットでつまんでみるとバラバラになって
しまいました、動作不良も時間の問題でした。
綺麗に掃除してダンパーを新しいものに交換します。
(ダンパーが手に入らない場合はこちら)
ダンパーは外したままでも大丈夫です、保証は出来ませんが、実際このダンパーはあまり効いていないので。

 後は元に戻しましょう。

注意:組立後はレバーの動作がスムーズに出来ることを確認してください。
注意:古いダンパーのカスや粘りはアルコールなどで丁寧に取ってから組み立てましょう、ダンパーを交換しただけでは症状は改善されず、病気が再発したり、違った動作不良が発生することがあります。


次にミラーリターン部のダンパーと、エアーダンパーの清掃をしてみましょう。
まずはセルフタイマーユニットを外します。

(慣れるとセルフタイマーを外さずに作業できますが、電線が切れると大変なので、出来るだけ外して作業してください。)
こんな感じで取れます。
フロントボードからミラーボックスを外します。
まず赤丸のネジを緩めます。
電装基板をソケットから外し、ずらしておきます。
赤丸のネジを緩めます。
こちらも緩めます。
これでフロントボードからミラーボックスが外れます。
この状態で残り2箇所のダンパーを交換しましょう。
ではいよいよエアーダンパーを外します。

まずはこのネジを外します。
ネジを取るとパイプがありますので抜きます、この時レバーを少し左にずらしておくと簡単に抜けます。
パイプを抜いた状態でもまだレバーは引っかかっていますが、少し力を入れると簡単に回るので右に回します。
こうなります。
このネジを緩めます。
これでレバーが取れます、順番を忘れないで下さい。
チャージレバーを写真のように降ろし、赤丸部に掛けます。
Eリングに精密ドライバーを掛けて外します。
飛んでいかないように注意しましょう。
袋の中などでやると紛失しないで済みます。
これでダンパーが外れます。
中にゴムのラバーダンパーが入っていますので交換しましょう。
内部は溶けたゴムが無いか確認し、綺麗に掃除しておきます。
*:少しでもゴムの溶けカスが残っていると動作不良を起こしますので注意深く掃除してください。

終わったら組み立てます、分解したときと反対にすれば大丈夫でしょう、タイマーユニットの組み立てはコツが要りますが、ME−Fの説明を御覧下さい、ただしワッシャーの入れ方が違いますので注意が必要です。