RICOH XR500


TTL開放測光
中央重点平均測光、追針式
視野率:上下96% 左右93%
倍率:0.88(50mmレンズ装着時)
機械式縱走りメタルフォーカルプレーンシャッター
B、1/8〜1/500秒
電池:G13×2
寸法:139.9×91.3×48.0mm
重量(本体のみ): 540g 
発売:1978年9月 
価格:\39,800 50mm/F2 ケース付

2005/1/9追記分はこちら

分解組み立て難易度10段階評価
 6
半田付け個所多数
PENTAX ファンとしては同じKマウントを持つRICOHの一眼は気になるところ、しかもMEの運命を変えたともいえるXR500であればなおさらである、旭光学はこのカメラが結構売れたことでコスト削減に奔走し、MV1(49,500円、50mmF2レンズ付)を世に送り出すことになるが、このころからPENTAXの輝きを失っていったような気がする。
いずれにしてもこのカメラが一眼レフの進化の流れを大きく変えた歴史的カメラだと思うのは私だけかな?


全体的に安っぽいのは仕方あるまい、プラスチックに出来そうなところは全てプラスチックである、だがこの当時は今のように強度のあるエンジニアリングプラスチックではないから、壊れるところは壊れる。
であるからマウントは金属、今ならこれもプラスチックだろう。

この個体は元々レンズロックピンなし、追針動作不良のジャンクであったが、その上、手元に届いた時にセルフタイマーを操作したら折れてしまった、古くなっているので簡単に折れるようである。

ロックピンはコネクター等に使われる真鍮ピンから、タイマーレバーは2mmのアルミ板を加工して新たに作り直した。
安いにもかかわらず軍艦部を外すのは結構手間がかかる、ME−Superの倍は大変。


中央上に見えるのが露出計、その右にあるのが露出調整の可変抵抗器
中央に見える長穴のあいた銅板がシャッタースピードにあわせて追針を動かす連結棒。
追針動作不良の原因は大抵ここの動作不良。

よく見れば貼り革まで安っぽい。
ギアのように見えるのがシャッタースピードダイヤルと連結して回り、それによって手前のレバーが動くようになっている。
組み立てた状態ではこのレバーが上記の連結棒を押すように動作する。

今回はこのレバーのシャフト部分が錆びて動作不良を起こしていたので、錆び取りと注油をして完了。


2005/1/9追記

XR ROKENON 1:2 50mmというレンズ(金属筒鏡で最短距離0.45m)が欲しくて物色していたら、XR500も一緒に付いて来てしまった(^_^;)。
前回修理したXR500は亜哉さんの所に旅立っていったし、あれから2年以上はたつので、気分も新たに修理してみることにしました。

と言っても動作は問題なさそうなのですが、スクリーンは汚れているし、シャッター幕にモルトのようなものがこびり付いていますから、ここは徹底的に行きましょう(^_^;)
XR500は純マニュアルカメラなので電装は露出計が有るだけだからシンプル…のはずなんだけど、意外に複雑、でも半田付けを外す電線は5本だけでOK!
分解記念撮影(^_^)v
ミラーBOXのチャージ部
レリーズ機構。

MEと違ってセルフタイマーがない、それはシャッターユニットに内蔵されているからです。
電池BOXとチャージ関係のレバーが見える
こちら巻上げ部。
シャッターユニットの分解。

中央にモルトのようなものが付着しているのがわかると思う、でもどうしてこんなところにモルトが有るのかな?不思議(@_@;)
幕にも付着していたので綺麗に拭き取った。
シャッターユニットはコパル製

このシャッターユニット、分解して気が付いたが、最高速度は1/1000秒のようである、シャッタースピード設定ダイヤルとシャッターユニットのクリックの数が違う、つまりダイヤル側で1/500秒より回らないようにしているだけだった。
なんでそんなことをしたのか?他機種との差別化を計ったのかもしれないですね。
そうと解かれば1/1000秒が使えるようにしたいと思うのは人情というもの、なんとかならないかな(^_^;)


こちらがシャッタースピード設定ダイヤルのクリック溝と回転止め、1/500、1/250、1/125、1/60、1/30、1/15、1/8、B で、合計8箇所しかない。

要は回転止めがなくなって、溝が増えればいいんだよね。
というわけで、リューターで1/1000秒の位置に溝を掘り、回転止めは削り取った、これで1/1000秒も使えるし、1/1000秒からBにダイレクトで回せる(^_^;)
ご覧のとおり、500の位置より回せるようになった、これで1/1000秒まで使える、追い針も1/1000秒の位置まで問題なく動くので使用上もまったく問題ない、これは多分XR−1と部品が共通のためだと思う。
このカメラ、今回分解して思ったが、作りがコシナのOEMシリーズ(ニコンFM10、オリンパスOM2000等)に似ているように思う、たしかリコーもコシナからOEMをしていたはずだけれども、このXR500もコシナ製だったりするのかな?思い過ごし?

それと、XR500はXR−1の廉価版として徹底的なコストダウンを図ったカメラらしいけれど、実際にはそれほどのコストダウンをしたようには見えない、つまりXR−1でもすでに相当のコストダウンをしていたと思われる、それを戦略的に39,800円という値段設定にするためには、何らかのコストダウンの印象が必要だったのではないか?つまり絞込みボタンがなくなっただけで、20,000円以上も安くなるのは不自然であるし、それではXR−1が売れなくなる、そこでシャッタースピードを最速1/500秒に落としてコストダウンをしたように思わせたのではないか、素人なら1/1000秒が1/500秒になれば性能も半分になったような気がするしね。
しかし実際はシャッタースピードが最速1/1000秒であれ1/500秒であれコストに大きな違いはないと思う、それどころか、わざわざ遅いユニットを作るほうがコストアップだろう、そのために1/1000秒のシャッタユニットにストッパーを付けて1/500秒までしか回らないようにしていたのだろう。

以上は私の勝手な想像です(笑)
それから、今回分解したXR500は1978年8月の印字があったので最初期型と思われます、その後も同じかどうかはわかりません、分解してみたら1/1000に改造できないなんてことも有るかもしれませんので、もし出来ない場合はご容赦ください。

2005/1/9記

試 写



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