smc PENTAX- M 1:1.4 50mm



レンズ構成:6群7枚
最短撮影距離:0.45m
寸法:最大直径63mm×全長37mm
重量:240g
発売時価格:29,400円
発売年月 1976年 

分解組み立て難易度10段階評価

 


先日LXのジャンクを手に入れたら一緒にやってきた、盛大なカビと見た事もないくらいの酷い曇りのあるレンズで、部品取りにしかならないと思って放置していたが、どうせゴミなら駄目元で徹底的に掃除して、バルサムの貼りなおしをしてみようと考えた。

さて、うまく行くのかな。

飾り板はホームセンターで椅子の足などにするゴム足を押し当てながら外すのが普通だが、わざわざ買うのももったいない場合、少し小さくなったビニールテープ代用するのが良い。
適当に巻きほぐしてフィルター枠にハマり込む様にしてグリグリと押し付けると、テープの端面からハミ出した粘着剤が飾り板に張り付く。
後は緩めるだけ、ゴム足より簡単に取れる。

だが、この方法の欠点は粘着剤が飾り板に残る事かな(^^ゞ
フィルター枠はこのネジを3本緩めると取れる。
前玉群をカニ目レンチで外す。
このネジを緩めるとピントリングが外れる。

ピントリングを外すと無限遠の調整が必要になるので覚悟を決める事!
ピントリングが外れた状態。

中央に見えるのが絞りユニット固定用ネジ。
絞りはユニットになっているので安心して外せる。
このカニ目を外せば中玉群が外れる、ただし、後玉群を外して後ろから押さないと外れないかも。
今度は後ろから分解。

マウント周りのネジを外すとマウントは簡単に外れる。
レンズ周りのリングは乗せて有るだけ、ひっくり返すと落ちるので注意

この状態では絞りリングも外れてしまうので、外れないようにテープで固定しておくのが良いと思う。
この状態で後玉1、2を順番に外すと中玉のお尻が現れる。
ごらんの状態、写真では分かりにくいが、こんなに曇っているのは始めて見た(^^ゞ。
鍋で10分ほど煮込んだ後、少々荒っぽいが斜めに万力に挟んで締め込み、バルサムを剥がした。

一瞬バルサムの匂いが漂う。
接合面はアルコールで綺麗にし、買っておいたバルサムをマッチの頭ほど取って乗せ、ドライヤーで加熱し、十分暖まった頃合を見計らって接合する。
暖め足りないと完全にバルサムが広がる前に固まってしまうのと、気泡の混入を防ぐためにも十分に加熱する事。
少し固まってきたら中心合わせを慎重に行う、このレンズはズレが有ると元の位置に収まらないので特に気をつけよう。

加熱が十分ならバルサムは驚くほどの少量でかまわないと思う。

写真は接合後の物、驚くほど綺麗になった。
ごらんの通り、とても曇っていたとは思えない。

分解には色々なカニ目レンチが必要だが、ヘリコイドや絞りの分解は必要ないので比較的難易度は低い、ただしカニ目が外れるとレンズにダメージを与えそうな部分も幾つか見られ、作業には細心の注意が求められる。
バルサムを剥がす方法は諸説有るようだ、加熱と急冷を繰り返すと良いと言う話もあるが、今回は試すことなく終わってしまった。

さてこうなると曇ったレンズも物色したくなるから不思議だ(爆)