私の知る限り、ME系は一段ぐらいアンダーになる個体が多いように思います、私の修理した
ものは8割以上がそうでした。

  現在のラチュードの広いネガフィルムを使う限り然したる問題ではありませんが、リバーサル
フィルムだとそうもいきませんし、何より精神衛生上良くないですよね。
 しかしME系の場合、シャッタースピードの制御は電子回路ですので、そう簡単に狂うものではありません、狂うとすれば考えられるのは、コンデンサー、受光素子の劣化や、コネクター、可変抵抗器の接触不良などが原因だと思われます。
 このなかでも特に怪しいのはASA設定ダイヤル部とマウント部の絞り値伝達レバー部の可変抵抗器の接触不良のようです、古くなったラジオのボリュームを回すと音がガサガサ言ったり、音量が急に大きくなる現象と同じですね、なのでまずはASAダイヤルをゆっくりで良いので目いっぱい左右に何度か回してみてください、それとレンズの絞りリングも同じように何度か回してやります。

それでも改善が見られない場合は分解して清掃をするのが良いでしょう、接点復活材などを綿棒に含ませて掃除するのが理想的です、硬いもので強くこすると抵抗幕が剥がれてしまいますので注意しましょう。

 接点の掃除をしても露出がずれているような場合は露出の調整をすることになりますが、何を基準にするかが問題になります。
 露出はメーカーによっても多少差がある(JIS規格の範囲内で)ように感じます、当然測光方式の違いによるものもありますが、他のカメラとの比較は困難なわけで、どうしても他のカメラとの比較と言うことであれば露出の基準が必要になってきます、いちばん簡単なのは18%グレーの無地の壁(ないって(・_*)\ペチ)に向かって露出を確認するのがいいのですが、最終的には撮影者の感覚にあった露出にするのが一番なのかもしれません。

露出の調整は以下に紹介しますので、各人の判断で実施してください。
調整の前に、現在の可変抵抗の位置をマーキングしておくことを御勧めします。



調整は軍艦部を外さなければ出来ませんが、露出の確認は軍艦部をセットした状態で
行ってください、そうしないとペンタプリズムとアイピースの隙間から光が入り込んで
正確な値になりません。


ME−Super
赤丸の可変抵抗を左に回すと+方向に調整できます、90度で約一段くらいになると思います、接触部が下の黒い扇状の抵抗部からはみ出さないようにしましょう、したがって左の写真だと+1段ぐらいまでが調整の限界と言うことになります。


ME−F
ME−Fですが、ME Superと変わらないですね、
ME-FはME Superを基本にオートフォーカス化したものですから露出制御部はほとんど同じです、調整も同じなので説明は省略します。


ME
MEの基板は隠れバージョンが沢山あります、私も完全には把握していません。


赤丸の可変抵抗を左に回すと+方向に調整出来たと思います、ゴメンナサイ、回す方向は良く覚えていません、確認しながら調整してください。


MG
MGです、赤丸の可変抵抗を左に回すと+方向に調整出来ます。