電装に関する簡単なトラブルシューティングです。




 ダイヤルをAUTOにしてシャッターを半押ししてもLEDが点灯しない場合
分解する前に電池が正しく入っているか確認してください。
ME系は+がトップ側、−側は蓋側に来るように入れないと電源は入りません。
まず、軍艦部を外します。
この状態でテスターを使って左上の赤丸とグランド(右下の赤丸部など)の間の電圧を測ってください、+3Vぐらい(赤線が+)ならOKです。
+3Vにならないときは電池ボックス内部の錆または、この赤い電線の断線です。
赤丸部とフレームの間の電圧をテスターで測りながら、矢印のシャッターボタンを押してみてください、押したときに3V位の電圧が立てば正常です、立たないときは黄色丸部のスイッチが接触不良になっていますのでチェックしてください。(私の経験の中で、赤丸部のハンダ付けが外れていた事例があります、あわせて確認してみましょう。)
上記の点検で異常がない場合は電装基板の差込部(ソケット部)の接触不良、ソケットから出ている青い線の断線、基板の破損などが考えられますが、これらはミラーBOXを外さないと修理は出来ません。
また、MEの基板には多数のバージョンがあり、古いものは故障しやす傾向があるようです。


 ダイヤルをAUTOにしてシャッターを半押しにするとLEDは点灯して、光にも反応するが、シャッタースピードが変化しない場合
MEのシャッターユニットにはXの1/100秒と、AUTOの1/1000秒、それとBしかありません、それ以外のシャッタースピードは基本的に1/1000秒で切ろうとしているのを電磁石で切れないように保持することで変化させています、ですからAUTO位置で電池を抜いてやって1/1000秒で切れないとすると、シャッターユニットが壊れているか、切り替えレバーがAUTOになっていないと考えられます。
1/1000秒なのか、1/100秒なのかは、シャッターユニット越しにテレビの画面を見ながらシャッターを切ってください、テレビの画面は1/60秒で一枚の画像が表示されていますので、殆ど見えれば1/100秒、1/10くらいしか見えなければ1/1000秒です。
AUTO位置にもかかわらず、1/100秒で切れているようだと切り替えレバーの位置が悪いのかもしれません、電線などが引っかかっている場合もあります。
左の写真の中央の白いレバーがシャッタースピードの切り替えをするものです、このレバーが、左、中央、右の位置にあるときに、それぞれ1/000秒(AUTO)、1/100、Bになります。

レバーに異常がなければ、電装関係の異常かもしれません、確認して見ましょう。
マウントにキャップをし、シャッタースピードが極低速になるようにしてください、その状態でシャッターを切ると、シャッター速度に比例した時間だけ電磁石に電気が流れます。
写真の茶色い電線と金属片の電圧を測定して見て下さい、軍艦部を外した状態のときは約3Vになっているはずです、これがシャッターを切る前(シャッター反押しの時)は0V、切っているとき(幕が開いているとき)は約2.8V、シャッターが再び閉じたとき0V(シャッターボタン戻すと約3V)になっていれば正常です。
ならない時は電装基板の異常か、ソケットの接触不良、ミラーBOX底部の接点不良が考えられます。
ソケットの接触不良を確認しましょう。
電装基板を差し込んだときに抵抗なくスルっと入るようだと接触不良になる可能性があります、写真のように接点を奥に押し込んでやると接触が強くなりますので、差込時に少し抵抗がある程度に調整してください、また基板の接点もアルコールなどで清掃しておきましょう。
次に電磁石の確認をしましょう。
シャッターユニットから出ている茶色と水色の電線を外し、テスターで導通を確認してください、導通していればOKです。
そのままの状態で茶色と水色の電線に3Vの電圧をかけます、写真のように電池BOXなどを準備すると便利です。
先ほどの白いレバーを1/1000秒の位置になるように押さえておき、そのままシャッターを切ります、するとシャッターは開放状態になります。
ここで電線を外したときにシャッターが閉じれば正常です。


電圧を加えたままでシャッターを切ったときに、シャッターが開放にならないときは電磁石にゴミなどが着いている可能性があります。
写真の緑のものが電磁石です、これはチャージした状態です。
左側に丸く見える鉄片が後幕を保持する部分です、これが離れてしまうと、電装に異常がなくても最高速で切れてしまいます。
こちらはリリース状態ですので、左側の鉄片が離れています、矢印の部分にゴミなどがないか確認してください、極小さなゴミでも動作不良を起こす場合があります。