RICOH AUTO HALF SL



露出制御:  CdSメーター、針押さえ式プログラムAE
感度設定範囲:ASA25〜400
レンズ:COLOR RIKENON 1:1.7 f=35mm 4群6枚
  前玉回転・ゾーンフォーカス
シャッター:セイコーシャ BS 11GA-2  1/30 - 1/250
電池:G13×1個
発売時価格:17,800円
発売:1970年

分解組み立て難易度10段階評価
 5

去年(2006年)の蛍オフの時に秋田の「クマッコ」さんが持ってきたカメラですが、レンズの大きさにイチコロです(爆)
ですがどうもジャンクの様子!なんたってピント合わせが出来ません、このレンズでピント合わせ無しじゃ辛いでしょ、しかも電池BOXも真っ青(^^ゞ
まずはフロントカバーを外す、特に難しいところは無い。

しかしレンズのヘリコイド部分がどうしても緩まない、この後分解してアルコール、アセトンに合計1ヶ月漬けたがまったくビクともせず、結局力技で分解することにした。
ヘリコイド外しの力技用リングを作った、これをレンズの外側に被せてパイプレンチを掛ける、博打である(^^ゞ

幸いレンズは欠けることなく緩めることができた、だが一ヶ月のアセトン漬けと力技はバルサムに気泡をもたらしたようだ。
バルサムの気泡はそのままに出来ないので分解して再度秘薬を使って接合した。
次は電池BOX、この状態です、このまま錆び取りをしてOKかな?っと思って電池を入れてテスターをあてても電圧が立たない、接触不良?
なんて思っているうちに電池が熱くなってきた!ギョッ(@_@;) 電極間の絶縁がまったく効いてない、でも電極はカシメですから外れない、こりゃ困った。
色々考えたが、カシメはドリルで取ってしまい、絶縁用の紙を挟んで再度こちら側からタッピングねじで止めることにした、反対側は電池が来るので出っ張りが有ると入らないので、平らになるまでリューターで削った。

左に見えるベーク基板の裏に露出調整用の可変抵抗器が有る、今回はLR44仕様に変更と言うことで調整をした、約3段暗かった、そんなに違うはずは無いのだが、試写の結果はまずまずだったので、元々暗めの設定なのかもしれない、少しでも絞って被写界深度稼ぎたいのかも。
動作確認のためにシャッターユニットも外した。

うーん、これはなかなか面白い、こんなに単純な構造でプログラムシャッターである、しかもシャッタースピードは無段階で変化する、よく思いついたなあと感心した。
露出制御は特に変わったところも無い、低照度時の警報代わりにファインダー中央の黄色い表示が赤に変わるが、シャッターがロックするというような機構はない。
モルトを交換して完了!
このカメラ、なんたってRICOHである、モルト交換無しにはカメラとしての機能を成さない。
 カメラの世界に限ったことではないのかもしれないけれど、モデル末期になると意味も無く「とんでもない仕様」のバリエーションが登場することはよくある、カメラの場合はワイドにしたり、望遠にしたり、大口径にしたりである。
このカメラの場合もレンズを大口径にする必要性がなんなのか?よく分からない(^^ゞ まあ私のような人間は飛びつくけどネ(爆)
実際このカメラ、大口径を有効に使うのは非常に難しい、なんたって日中はF8以上に絞られることが多いと思うし、薄暗い状態での開放では被写界深度が浅くてゾーンフォーカスではとてもピントが合わない。
それにハーフなのになんとなく「ゴツイ!」これは普通の人は買わないよね。
でも楽しい(爆)、こんな楽しいカメラも良いねえ、え?言うことが矛盾してる?まあまあ(^^ゞ

今回はクマッコさんのおかげで楽しい思いをさせていただきました、もう少しでお返ししますからお待ちくださいね。