とうとうライカに手を出してしまいました、niccaの修理をした時に、しっかりバルナックライカの虜になってしまったのです、多分いずれ近いうちに手に入れることになるとは思っていました。 このライカ、ネット中古でCランク品を購入しました、Web上の説明では「外観擦れあり、時々シャッターが切れない時あり」というものだったんですが、普通のカメラだったらジャンクでしょって思いますね、で、実際使ってみると、時々切れないんじゃなくて、時々切れると書いて欲しいと思いました、完全ジャンクだって!(笑)。 でも、実は修理する立場からすると、どっちでも同じなんです、って言うか頻繁に切れないほうが原因が特定しやすいので、修理もしやすいんです、まあバルナック系の場合はシャッターが切れない原因は限定されるので簡単に治る場合が多いと思います、このカメラもほんの数分で治ってしまいました。 で、試写をしたのです、そしたら(-_-;)… 1/1000秒の時に左下に未露光の部分があります、参りましたね、完璧にジャンクだと思いますよ、素人に売るなって声を大にして言いたいですね。 ライカの分解なんてしたくないので幕テンションの調整で何とかならないかと思って一生懸命調整したんですが、結局どうしても駄目でした、幕が何か悪さをしているようなんです、幕の先端も傾いているので、未露光部分が三角形になっているし、これは幕交換しか手はなさそうですね。 |
悪いところは何処だろうって探しているうちに気が付いたらバラバラになっちゃいました(笑)、なので写真はここまで撮ってません。 幕は以前どこかで交換してあるようですが、作りからして素人とは思えないんです、縫い合わせにミシン使ってますからね、素人はそこまでしないでしょう、でも後幕の先端が傾いているんです、軸に接着するのも傾いていて、巻き上げると竹の子状になるんですよ、それがずれて先幕の軸に当たるんですね、なのでいくら調整しても1/1000秒の調整がうまくいかなかったようです。 | |
部品点数は比較的少ないのです。 | |
見えますか?写真中央ですが、ライカの巻上げがスムーズな理由の一つ、ここにボールベアリングが入っているのです。 | |
ここにもベアリングが入っています、中央の白い点のようなものがボールです。 | |
え?もう終わり? ごめんなさいね、忙しかったのでとっとと幕交換してしまって写真撮りませんでした。 幕を交換したらシャッター速度もピシッと決まるようになりました、これでしばらく安心です。 nicca、Zorki、FED2、Leicaと分解しているうちに、こんなに専用レンチが溜まっちゃった。(^^ゞ 全てアルミ板からの手作りです、いろんな形があるのは適当に作ってるからです、意図はありません(爆) | |
Vfにはシンクロ接点があるのですが、この数字をフラッシュのバルブによって合わせなければいけないようです、これはフラッシュバルブの時代には必要なことだったのでしょうけれど、ストロボになった今では何番に合わせれば良いのかなって思ったので調べてみました。 | |
方法は簡単です、ストロボにコードを繋いで、マウントから中に向けてシャッターを切ります、このときに発光した光で幕が見えなければ同調しています、ちなみにこのカメラの場合、1/30秒でダイヤル位置が2で同調していました。 | |
Leicaって、niccaと似てますね、え?niccaが似てるの? | |
私は写真を撮る事よりもカメラの構造とかに非常に興味があります、昔から機械的なものが好きなんです、なので今は装置設計なんか仕事にしてたりするんですが、カメラを分解してみると設計した人のことがとても良く伝わってきます、そこには感動と驚きが常にあるわけですが、niccaを修理した時の感動はちょっと違っていました、それはシンプルさに対する驚きです、本当はこれだけで2枚の幕を制御出来るんだって言うことですね、MXなんかと比べると恐ろしく部品点数が少ないわけですが、にもかかわらず性能に大きな違いは無いわけです。 MXが悪いと言うのではありませんよ、MXはMXですばらしいのです、修理は大変ですけどね、単純に言うとバルナック系の幕交換の工賃が10,000円だとすると、MXの幕交換の工賃は40,000円くらいもらわないとって感じですかね、それでも他人のMXの幕交換はしたくないなあ(爆)。 それとライカのすばらしい所は、部品一つ一つの作りがとても丁寧なことです、丸いところは均一に丸く、直線はあくまで直線に、ローレット(ノブのギザギザ)は深すぎず浅すぎず、傾きも無い、小さなネジも歯車も実に丁寧な作りをしています、こんな作り方をさせてもらえたら作る人も嬉しかったでしょうね。 他のライカ、Mシリーズのことも知りませんが、少なくともバルナックライカはすばらしいカメラだと思います、私が手に入れたカメラは50年も前のものですから、作った人も最初に購入した人も、すでに他界されているかもしれませんが、カメラはこうして長く愛され、この先も何年と無く愛されていくでしょう。 |