PENTAX MZ-3




TTLストロボ内蔵 TTL AE・AF 35mm一眼レフカメラ
シャッター:電子制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター
オートシャッター:1/4000〜30秒(無段階)
マニュアルシャッター:1/4000〜1秒、B
Xシンクロ:1/125 秒以下
寸法:135×90×61.5mm 425g(電池別)
発売時価格:83,000円(ボディーのみ)
電池:本体:3Vリチウム電池(CR2タイプ)2個
発売年月 1997年7月 

分解組み立て難易度10段階評価
 6
配線多数

 私がPENTAXのAF式フィルムカメラの中で一番好きなカメラが、このMZ-3です。
その昔PENTAX P30を手に入れ、NEW EOS Kissを手放して手に入れたのがMZ-3でした。
その後撮影はほとんどマニュアルフォーカスのカメラしか使わないので、滅多に出番が無く、大切に保管して有るんですが、はたして放置したままで何年も使えるんだろうか?という疑問が有りました、なので一度ジャンク品を手に入れて構造を把握しておきたいと思っていたのですが、運良くJFC会友のHIROさんからミラーアップから復帰しないジャンクのMZ-3を頂いたので、早速分解する事にしました。

TOPカバーを外すのは特に難しくないがEOS Kissと違ってネジの本数は多い。

面白いと思ったのはダイヤルのブラシ。
通常はブラシが有るのはダイヤル側で、基板にはパターンが有ると思うのだけれど、このカメラは反対で、ブラシが基板側に有る、面白いアイデアだと思う、これならダイヤルを360度回転させる場合でも基板は丸くしなくていいし、ブラシ以外の部分は有効に使えるから、その分コンパクトになる。
こちらは露出補正ダイヤル側だが、同様に基板側にブラシが有る、だからとってもシンプル。
右下に見えるモーターがミラーとシャッターのチャージ用のモーター。
多分動作不良の原因はこのモーターだと思うのだけれど、外すには相当分解しないと駄目なようだ。
底全面にステンレスの板が入っているので底蓋を外してもすぐにはギア等が見えない、これなら三脚ネジ部の強度に不安は無いだろう。

ストロボ用のコンデンサーは細い物を2本使用してスペースをかせいでいる。
DXコードの読み取り接点。
EOS Kissと大差は無い。
フィルム巻上げギア。

ひとつのモーターで回転方向を変えることでフィルム巻上げと巻き戻しの切り替えを行っている、なかなか面白い。
ストロボの回路。

コンデンサーが2本入っているのがわかる。

ストロボ回路は外さなくてもミラーボックスは外れる。
EOS Kissとは少々勝手が違う、小さなフレキの数もさらに多い。
ミラーボックスのチャージモーターユニットを外してみたが、モーターのピニオンが簡単に取れてきた(@_@;)

これってシグマのAF不良と同じで、圧入で無理して割れているようだ(−−〆)

こんなドジな設計するのはシグマだけだと思ったら、PENTAXでもやるんだね、驚き。
こんな薄肉のプラギアに圧入したら、いずれ割れる事は明白だと思うんだけど、まあ成型条件や後処理、材質によっては使えない事も無いけど・・・

まあ愚痴ってもしょうがないので、モーターの軸にヤスリで傷をつけ、瞬間接着剤で固定した、まあしばらくは大丈夫でしょう(^^ゞ

2009/1/25追記
 後にピニオン(真鍮製非純正品)を手に入れてから再度分解し、交換した。
EOS Kissと違って結構真面目に設計している、まあ機能が同じなら複雑なほうがダサい設計と言うことになるけどね。
さあ、後は組み立てるだけ。

 今回の故障はMZ-3全てに発生する物だろうか?MZ-3は発売開始からすでに10年以上になるので、この故障が全てに発生するなら大量のジャンクが出回ってもよいはず。
 だが、そんな話は聞かないし、実際私が所有しているMZ-3も今の所問題なく動作しているので、成型の管理不良か、原材料の管理不良か、まあ基本設計不良というより管理不良と考えるのが正しいのかな?

 いずれにしてもPENTAXではコストダウンでプラギアにしたのだろうけれど、管理の苦労を考えると本当にコストダウンになったのかな?ピニオンだけでも金属にした方が良かったんじゃないかと思う、まあ金属ギアとプラギアの噛みあわせでは磨耗の問題も有るだろうけれど、割れるよりは何倍も良いでしょ。
 
 PENTAXファン、MZ-3ファンとしてはちょっと衝撃的で残念な結果だった。