Nikomat FTN



TTL中央部重点開放測光
金属幕縦走り式フォーカルプレーンシャッター(コパル)
B,1〜1/1000秒 機械制御式
 電池 MR9
寸法:148×95×54mm
重量:765g(本体のみ)
発売:1967年1月
発売時価格:32,000円

分解組み立て難易度10段階評価
 5
電装は少ないので、精神的に楽(^^ゞ
左ネジなし、トラップと呼べるような所も無い、素直なカメラ。
基本工具を所有する人なら特に難しくは無いと思う。
ただし、メーターの針には十分注意!

久し振りにヤフオクを覗いてみた、検索ワードは何時も「ジャンク」(爆)、最近はまたジャンク相場もいっそう下がったようで、遊び半分に絶対に落ちないだろうと思う金額で入札してみたら、落ちない金額どころか誰も入札しないで開始価格で落札してしまった、驚きである、レンズ付きだけど内部にカビだらけだから人気が出なかったのかな?でも安いと思うなあ。

症状は時々チャージ不良になると言うもの、ME Superのダンパー不良のような状態です、多分ミラーボックスのリンクが作動不良を起こしているのでしょう。
トップカバーを外すのは特に難しい所は無い、巻き上げ部も全て右ネジ。

トップカバー側にはシンクロ接点(M=茶色、X=青)の電線が半田付けされている。
スクリーン枠の下にスペーサーが入っているので、プリズムを押さえているマウント側のネジはプリズムを外した後にネジを戻しておく方が賢明。

スクリーンを外す場合は巻き戻し軸を外し、メーターを外しておく必要がある、怠るとメーターの針が曲がるよ。

この状態ではスクリーンの枠は外さないこと、シャッタースピード表示が引っかかる、うまく外せてもミラーボックスを外さないで元通り組むのは難しいと思う。
Nikon EMのフィルムカウンター中央に止められた表示枠のデザインはここから来ていたんですね。

でもこちらは分解が非常に容易です。
ミラーのチャージ機構、ただし、チャージロックは本体側なので、ミラーボックス単体でチャージするとミラーアップしてしまう。

写真はミラーアップした状態。
@がミラーチャージレバー

Aはミラーチャージロックレバーで、シャッターを切ると、ここが外れてミラーがアップする。

赤い電線はシャッタースピード情報用のアース線、実は無くても動作するが、より確実にするために配線されているのだと思う、FMを分解した時にも感じたが、Nikonはこう言う所で手を抜かない、真面目なメーカーだと思う。
@がミラーアップでシャッターユニットのトリガーを叩くレバー。
Aはシャッターユニットが動作完了した時に叩くレバー、つまりミラーアップの解除レバーってことですね。

各リンクは粉を吹いたような状態で動作は悪い、掃除と注油を行った。
巻き止め機構は全てこちら側で、EMなどより複雑だが、通常の修理では分解する必要が無い構造なので、修理屋泣かせではない。

シャッターはコパル製。
ファインダー内部のシャッタースピード表示、下で糸が左右に動き、その糸に表示板が止められている。
中央に見えるベロがシャッター速度表示板
中央の黒い板はシャッターのチャージ部分。

このシャッターユニットはチャージがギヤ駆動なのでラック(棒状のギヤ)が使われている、こりゃコスト上がるよね。
 レンズは後玉群の前面に派手にカビが出ていたので分解と清掃を実施した。


 何処のメーカーもそうなんだけれど、このころのカメラは非常に作りが真面目だと思う、修理しながら使うことが出来るカメラとでも言えばいいのかな、「壊れたら廃棄してください」とはとても言えない、工芸品的な価値を感じる、本来廉価版のNikomatですらである、高度経済成長で暮らしは便利で豊かになったけれど、何かを忘れてしまったのではないか、そんな事を感じさせられた。

注意:今のカメラは不真面目って意味じゃないですよ、(^^ゞ