Nikon EM



TTL中央部重点平均測光
金属幕縦走り式フォーカルプレーンシャッター(セイコー)
1〜1/1000秒、電子制御式
 M90とBは機械式
電池 SR44×2
寸法:134.5×86×54mm
重量:490g(本体のみ)
発売:1980年3月
発売時価格:40,000円


分解組み立て難易度10段階評価
 7
構造は比較的シンプルだが、カウンター周りの組立て困難
外す電線も多い

 EMがやってきた、シャッターが時々開かないって言うもの、シャッターユニットにモルトか何かが入り込んだものと思われます、多分総分解ですね(^^ゞ
トップカバーのはずし方はMGとよく似ている、特に難しい所は無いが、シャッターボタン周りのリングネジはアメゴムでは緩まなかった、これは専用レンチが必要。

配線はこんな感じ、まとまりはあまり良くない、分解するにはここに見える電線はほとんど基板から外さなくてはならない。
巻上げ部

こちらはFGに比べてシャッタースピード設定が無い分シンプルである。

赤と黄色の線はFG同様にカウンターが「1」になるまでシャッター速度が一定速で切れるようにするためのもの、ただしFGは1/90秒だが、EMは1/1000秒で切れる。
シャッターユニットのフレキ基板とメインのフレキ基板を繋いでいる場所、ここはMEより作業が楽。
電装とプリズムをセットで外した。

スクリーン周りにモルトが沢山見える、全て劣化しているので綺麗に掃除して交換する。

写真ではスクリーンが付いているが、マウント側から外れるのでスクリーンに傷が付かないようにするためにも、分解前にスクリーンを外した方が良いと思う。

MXなどと違い、スクリーンは枠ごと外すのがよい。
ミラーボックスは簡単に外れる、組立ても私が知る35mm一眼レフの中でもトップクラスの簡単さ。
シャッター、ミラーボックスのチャージ機構、非常にシンプルである、この辺のシンプルさはすばらしい・・・が、これは巻き止め機構や巻上げレバーのリターンスプリングなどが無いからで、その分カウンター部分の組立てに手間が掛かる構造となっている。

修理する人間としてはここは分解しないでも済む部分なので、少々複雑にしてもカウンター部分の組立てをシンプルにして欲しかった。
シャッターユニットが外れた。

シャッターユニット周りの構成は構造的にはMEに良く似ている、シャッターユニットが基本的に同じなので当たり前と思うかもしれないが、同じシャッターユニットを使うミノルタXDなどはまったく違う構造である。

シャッターは単体で動作確認を行ない、動作不良の原因がシャッターユニットであることを確認して分解をする。
分解してみると、やはりモルトが内部に混入していた、ほんの小さなものだが、シャッター幕の動作を緩慢にするには十分な量といえるだろう。
幕はベンジンで綺麗に掃除し、組み立てて動作確認を行った、これでシャッターが開かないことはなくなるだろう。

後は組み立てて完成!ヽ(^o^)丿
と簡単に書いちゃいますが、組み立てる方がずっと大変ですよ(^^ゞ
 リトルニコンは構造的には非常にシンプルで好感度は高い、だけど巻上げ部の組立てがねえ、結構手間なんですよ、ここだけはもう少し考えて欲しかった。

 それとシャッターボタンの周りのリングネジ、FGと同じだと思ってたら直径が違うんですね、しかもFGは右ネジなのにEMは左ネジだし、お蔭様でまた専用レンチが増えた、こりゃ商売できるな(^^ゞ