minolta XD5
北米向け、国内販売なし



電子制御式縦走メタルフォーカルプレインシャッター(MEと同じセイコー製)
シャッタースピード:X,B,1〜1/1000秒
露出:TTL中央重点的平均測光
マウント:ミノルタバヨネットマウント 
レンズ:MD W.ROKKOR 24mm 1:2.8
発売年:1979年(XDは1977年)

分解組み立て難易度10段階評価
 7


 MEがすばらしいと唱えるばかりでは説得力がないのでライバルにも眼を向けているのだが、近所のリサイクルショップでこのXD5を精進してしまった。
外観はかなりくたびれていたが、スクリーンに塵が入っていたのと、ミラーに少し腐食があったぐらいで、機能に問題もなく、なんとか磨いて綺麗になった。
 このXD5は、PENTAX ME−Superと同時期の発売であるが、1977年発売のXDから幾つかの機能を省いた北米向け廉価版であり、MEにマニュアルを追加して高機能化したME−Superとは生い立ちが逆である、しかし機能的にはシャッタースピード優先、絞り優先の各オートが使え、もちろんマニュアルも使える、また、シャッター優先時に適正絞り値がレンズ絞り値を超えた場合、シャッター速度も適正露出になるまで自動的に変化する、サイバネーション方式という機能がある。
 サイバネーションの詳しい説明は割愛させていただくが、カメラ本体側からの絞り値の制御が不安定だったことから生まれた苦肉の策らしい、しかしこの機能、なかなか面白い。

2003/4/22追記
ファインダーを覗くと、汚れが見えるので、スクリーンを外して清掃をすることにした。
スクリーンの汚れだけでなく、プリズムの汚れが目立つ状態だったので、一生懸命に無水エタノールで拭いていたが、なにやらスプリングが外れてきた
     ゲゲゲ(@_@;)…なんでこんなところに外れるスプリングがあるんだ!
私の所有するカメラで購入時から完動品はめずらしので、分解はしたくないのだが、マウント側からこのスプリングを元に戻せるとは思えないので、やむなく分解することにした、まあ内部のモルトも気になっていたから良いかな(軽いなあ)。

2003/8/22追記

XD5について、XD-sの間違いではないかという質問をいただきました、XD5は北米向けのカメラで、国内販売はされていません、某カメラ店のカメラ博物館などを覗いても、XDとXD-sしか出ていませんのでご存じない方が殆どだと思います、どういう経緯で私のところにやってくることになったのかは不明ですが、国内では結構レア物なんですよ、ヤフオクなどでもめったに出ませんし、出ても結構なお値段になります、XDより高いって言うのも変な話ですね、比べて見るとちょうどME SuperとMGのような感じでXDの方がずっと高級感があるんですけど。
それと、XDにはあって、XD5にはないもは

1、アイピースシャッター
2、ファインダー内シャッタースピード表示
3、レンズ絞り値覗き窓
4、フィルムシグナル

くらいかな、あと軍艦部がプラスチックになってます。
フィルム巻き戻しレバー部を分解してみた、要はISO感度と露出補正機構があるだけなのに、どうしてこんなに複雑なんだろうか?MEを知っている者にとっては理解しがたい構造である、これでも機能はMEと変わらない、コストは10倍かかっていると思う、(大げさかな)しかも操作性が優れていると言うわけでもない、特に露出補正は大変であり、補正時の警告表示もない。
まあ、見た感じの高級感はあるかも?
シャッタースピード、露出モード切替部。
電子カメラの走りである、しかし機械的に切り替えているのでME-Superよりも構造は単純ではない、分解も面倒。
配線がゴチャゴチャしていてまとまりは良くない、可変抵抗も取り付けが怪しい、見た目はMGに近い。
フロントボードを外してみた、なんと、シャッターユニットも一緒だった、これは始めての体験(^^ゞ
ここまで分解するのに半田ごては必要ない、ただし、半田ごての必要なME superの方が簡単かも(^_^;)。
中央奥に見えるのが問題のスプリング、こいつのおかげで分解することになったのだ。
批判的内容が目に付くが、総じて良いカメラである、ME-Superの男くささに比べて女性的優しさを感じる。
特筆すべきは巻き上げとシャッター音のフィーリングが良いこと、ME Superの方が力強くて良いと言えなくもないけど、これは好みの問題で、どちらが良いかと決められるものでもないか。

 


写真をクリックすると試写が見られます。