minolta XD




電子制御式縦走メタルフォーカルプレインシャッター(MEと同じセイコー製)
シャッタースピード:X,B,1〜1/1000秒、Bと○(1/100秒)は機械式
露出:TTL中央重点的平均測光
マウント:ミノルタバヨネットマウント 
発売年:1977年10月

分解組み立て難易度10段階評価
 7


XDがやってきました、メーカーに修理に出したら交換部品なし修理不能で帰ってきたそうです、2003年の春にXD5を分解していますが、XDは初めてです、大きな違いはファインダー内シャッタースピード設定値表示がある事ですが、これが面倒なんですよね。
症状は使いはじめに高速シャッターが開かないことがあると言うことでした、ME Superでも時々ある症状ですね、シャッターユニットもおなじSEIKO製ですから、多分ダンパーが融けだして幕に付着しているんでしょう、メーカーではシャッターユニットを分解して掃除するなんてことはしませんから修理は不可能ってことになるわけです。



中央に見える髪の毛みたいなのがファインダ内シャッタースピード表示連動用の糸で、タングステンワイヤーらしい
丈夫だが切れないこともない、充分に注意しましょう。
XD5を分解したときにはなんだろうと思っていた部品がありました、この糸を巻く部品だったんですね。
ファインダ内シャッタースピード表示用フィルムを動かすユニット。
よくこんな狭いところに組み込んだものだと思う、驚きです。
プリズムは通常マウント側から掃除できるので無理に外す必要はないのです、でも今回はせっかく分解するんだから綺麗にしておきたいので外すことにしました、しかしそれには糸を外す必要があるのです。

自信のない人は出来れば糸は外さない方が良いと思う、巻きなおしは慣れないと難しいです、私はMXで苦労しましたからそうでもないですけどね。
XDはこう分解できるので、シャターユニットの分解掃除はME Superより簡単かもしれません、余計なモルトもないですから。
シャッターユニットです、羽にグリス状の物が付着していますし、ダンパーも融けてます、分解して綺麗に清掃し、再組み立てしました。
アイピースシャッターです、なんと軍艦部の操作レバー部を除けばネジを含めても部品が3点しかありません、驚きです、どう動作するかは分解した人だけのお楽しみということで(^_^;)

私も装置設計をやっていますが、こんなのは思いつかないですよ、出来ることなら考えた人にお会いして話を伺かがってみたいものですね。


XDはとっても良いカメラだと思う、巻き上げのフィーリングも良い、欠点を言えばサイバネーションのタイムラグかな、どうしてもワンテンポずれる感じがするね、あ、それと貼り革は何とかしてもらいたい、グニャグニャで両面テープがハミ出して気持ち悪い、新品のときは良かったのかな、見たこと無いから解らんです(^_^;)。

minoltaでXDと同時期のカメラはXG−Eにななりますが、断然XDの方が高級感があります、値段も違いますから当然ですね。
機構的に大きな違いはシャッターユニットがXDの金属幕縦走りに対して、XG−Eは横走り布幕なことです。
面白いのは金属幕のXDは後続機種がなく、布幕のXG−EはX−7から現行機種のX370Sまで続いています、PENTAXでは反対に金属幕のMEがそのまま発展して行きますが、布幕のMXは後続機種が出ませんでした(LX?)この違いは何ぜでしょう?
minoltaでは布幕でもユニット化してコストを下げていますので金属幕のシャッターユニットより安かったんじゃないでしょうか?対してPENTAXの布幕はボディー組み込みですから組み立てや修理にコストがかかります、工数を削減するには、できればユニット化したいけど、それには金属幕縦走りの方が良いと普通は考えます、それがこの違いを生んだんじゃないでしょうか。