Rollei 35T




露出制御:マニュアル式(追い針式露出計内臓)
シャッター:B 、1/2〜1/500秒
レンズ:Tessar 3,5/40
絞り:3.5〜22
ピントあわせ:目測式
大きさ:99×43(沈胴時)×69mm (実測)
電池:PX625/H-D(MR-9)

分解組み立て難易度


  
今日の患者はこちら、低速で粘るとのこと、一眼レフが得意の私としては苦手の部類、しかもシャッタースピードと絞りの設定がボディー前面に有るという特異な構造であればなおさらだが、さてどうなりますか。

いきなりトップカバーの外れた写真から(^^ゞ

このカメラ、ネジ類は「かに目穴」などがハッキリしていて迷うことは無いのだが、このピンがあるのでトップカバーが外れない、まるで知恵の輪状態、しかしどう考えてもこのピンが外れる構造のはず、そうでなければ組めるはずが無い。

というわけでよく観察すると、このピンは写真のようにスプリングで抜けないように押さえられているのだった、で、通常はレバーが有って回らない位置まで回すとスプリングの引っ掛かりが無いので抜けてくるのでした。
電池ボックスと露出計

単体露出計を乗せたって感じです。

電池ボックスの配線は半田付けではなく導電性の接着剤を使っていて、動作が不安定になっていたので、同じく導電性の接着剤を塗って改善させました。
この手のカメラの場合、シャッターユニットの粘りの修理はレンズを外して、シャッターユニットをベンジンで洗浄するのが普通なんですが、このカメラのシャッター制御機構は全てボディー側にあります。

写真は低速ガバナーの部分、このまま逆さまにしてベンジン洗浄しました、これで低速の粘りは解消です。



レンズを沈胴させた状態で裏蓋を外すとこんな感じ。
圧板は裏蓋ではなくこんな感じで付いている。

レンズ部分はレンズとシャッター幕と絞り+それぞれの動作レバーが有るだけで、レンズを繰り出す
シャッター制御部にシャッター幕動作レバーが、絞りダイヤルに絞り動作レバーが連結するようになっています。

露出計の電池はこんな所に入る、ってことはフィルムが残っている時に電池が無くなったら・・・悲惨ですね
まあオートは無いから使えないことはないですけど。
Tessar 3,5/40

ピントあわせが目測式なのが残念




底面にホットシュー、巻き戻しレバー、フィルムカウンターが有る。

レンズを引き出した状態

レンズを沈胴させるには巻上げをした後にシャッターボタンの前にあるボタンを押しながらレンズを左に回し、押し込む。


   



ハーフサイズのOLYMPUS PENと比較してみた。

こうして見るといかに小さいかがよくわかる。
値段からして比較するのはとても酷だが。


このカメラ、設計が非常に独創的である、何もかもが驚きで技術屋なら虜になるかも(爆) 技術物が好きなドイツ人なら買うよね。
そんな訳で文句を言う様な所も少ないが、あえて言うなら露出計の電源も沈胴と連動して切れるようにしたらもっと良かったかな、それと目測式は???

今回は久し振りに楽しく観察させていただいた、こりゃ人気が有るのも無理はない、是非一台欲しいカメラである(^^ゞ