FUJICA COMPACT 35


レンズ: FUJINON 1:2.8/38
ファインダー: 採光式ブライトフレーム
焦点調整:目測式 0.8m〜無限
露出制御: プログラムEE ASA12〜200
電源:セレン光電池
寸法: 121×74、5×58mm
重量: 400g
発売: 1969年9月
発売時価格: 15500円

分解組み立て難易度(私の個人的な能力から10段階評価)

技術的な難易度: 
 (レンズの飾りリングが外しにくいかな)

  大変度: 
  (モルトが沢山)
  
また分解してみたい度: 

リサイクルショップのジャンクコーナーにポツンと一台、でもなあ、カメラはもう要らない・・・うーん、後ろ髪引かれますね、買っちゃお(爆)
結局色々チェックして、セレンも生きているし、レンズも綺麗なので精進してきました。
問題はピントリングがやけに軽いこと、しかも回してもレンズが前後する様子がありません、あとは裏蓋の錆と、モルトが痛んでいるくらいですね。

とにかく分解です、このカメラはモナカ構造なので、比較的分解は簡単ですね、貼り革を剥がして左右のネジ4本を緩めれば前面のカバーが外れます。
軍艦部はネジ5本と、巻き上レバー、巻き戻しレバー、ASA感度設定ダイヤルを外せば取れます。
トップの貼り革を剥がす必要はありません。

ハーフミラーはプリズム貼りあわせ構造でした。
掃除するには前後のレンズを外したいところですが、接着剤で留っているので無理は禁物です。
外した軍艦部のカバーです。
露出制御はよくある露出計の針を挟み込むタイプです。
今回は問題もなさそうなので、このままにしておきます。
ASA感度設定は露出計のお尻を直接回すものでした、なんとも合理的ですね。
フィルムカウンターですが、これは底部から見た写真です。

ピントリングがやたらに軽く回るのは、前玉群の取り付けネジが緩んで回り、肝心のピント合わせ部分が回っていないためした、その他に問題はなさそうなのでレンズの掃除をして組み立てました。
最後に無限遠の調整をしたいのですが、このカメラのシャッターには”B”位置がないため、シャッターを開放に出来ません、しかもシャッターはレンズの間にありますので、無理やり開放にすることもできないのですが、実は開放にする裏技があります。
方法はとっても簡単! まずは巻き上げた後にレバーを完全に戻さず、写真の位置で止まるようにテープなどで固定します。

後はシャッターを切れば開放になります、しかもシャッターボタンから手を離しても開放のままですので、ピント合わせが楽に出来ますよ。
ピント合わせが終わったらレバーを戻せばシャッターは閉じますが、そのままでは巻上げが出来ないので、もう一度シャッターボタンを押してください、このときシャッターは切れませんが、巻上げができるようになります。


 今回はシャッターユニットや露出計には問題が無かったので比較的楽な修理でした、裏蓋の錆び以外には当たりや傷も少なく、モルトの交換と裏蓋の再塗装で綺麗になりました。

 このカメラの発売は大ベストセラーになったKonica C35と同じころですから、ちょっと不利です(笑)、当時さほどカメラに興味がなかった私(小学生ですからね)でもKonica C35は知ってましたからね、すでにCOMPACTを名乗るのは無理があります。