Canon EOS 700QD




35mmフォーカルプレーンシャッター式マルチモードAF一眼レフカメラ
TTL位相差検出式AF
縦走行電子制御フォーカルプレーン(コパル製)
シャッタースピード:1/2000〜2秒・B・X=1/125秒
ファインダー: ペンタプリズム固定アイレベル式、倍率0.8倍、視野率92%
電池:6Vのリチウム電池2CR5型1個
 大きさ、149×102×71mm、615g(ボディ)
発売年月 1990年(平成2年)3月
発売時価格:58,000円 (ボディ)

レンズ:SIGMA ZOOM 28-80 1:3.5-5.6 MACRO

分解組み立て難易度10段階評価

機構部分  3
(シャッターユニット分解までは簡単)
電装部分  6
(配線取り回し悪い、半田付け箇所多数)

特殊な工具は必要なし

 現在(2009/2/8)EFレンズは1本も持ってないのにEOSに目が行く(爆)
EOSのジャンク修理も特殊な工具が必要なく、プラモデル感覚と言うか、ラジオキット感覚と言おうか、判ってくると構える事無く分解が出来てなかなか楽しい。

 ところで今日の患者はEOSの持病、「シャッターダンパー溶けだし」です、どうなるんでしょうね(^^ゞ。

ダンパーは結構派手に溶けだしている。
分解はフロントパネルから。

バッテリーグリップの所2箇所、ミラーボックス下1箇所、ペンタ両サイド2箇所、マウント上側1箇所のネジを外せば外れる。
マウント脇に駆動用のモーターが見える。
裏蓋のストッパーを外す。

スプリングが有るので、飛ばさないように注意!

DXコードの接点は4接点しか無いので、仕様書で言う「フィルム使用感度域はISO 25〜3200」と言っても、ISO25、50、100、200、400、800、1600、3200のみが判別可能で、たとえばISO32等のISO50未満のフィルムをセットするとISO25としか判断されない、コストダウンの裏技である。

まあ実質問題ないと思うけどね、ISO32なんてフィルム見た事無いし。

底蓋も外しておく。
巻きあげ、巻き戻しのギヤセット。

軸はカシメなので外せない。
トップカバーはアイピース両サイド、マウント上部2箇所、フィルム室から1箇所、バッテリー側から1箇所緩めると外れる。


ストロボはシャッターを切った瞬間に上がり、撮影が終わると閉じるという手が込んだ動作をするので、アップダウン機構もコストがかかっている。
フィルムカウンターは機械式。

プラカメ=液晶のカウンターというイメージが有るせいか違和感があるが、これはこれで良いと思う。
配線多数、これは殆ど外す!(^^ゞ
こちらはフレキの繋がりを外せばOK!
とにかく徹底的に配線を外せば、何の苦も無くミラーボックスは外れる。
駆動用モーター

このモーター1個で「巻きあげ、巻き戻し、シャッターチャージ、ミラーボックス動作、ストロボを降ろす」の5動作を行う。

この設計、大変だったと思う。
シャッター幕をアルコールで清掃。
フレキの固定用ピンの部分が切れていたので、フレキの表面を剥がし、銅線でバイパスした。

ここは裏蓋のスイッチに繋がる部分で、フィルムを入れても巻きあげない状態だったと思う。

どう見ても切れやすい構造なので、このカメラはフィルムセット不良の個体が多数ジャンクで出回っているものと推察する。
こちらがイメージセレクトダイアル。

このカメラに限った事ではないが、マークの意味を知らないとかえって使いにくいと思うのだが。
ダイヤル中央のネジを外してパネルを反転させると、シャッタースピード優先AEとして使える。
反転の判別は中央のネジのねじ込み深さで行っているようだ。

絞りの値がファインダーに表示されるというような機能は無いが、露出が適正にならない時はAEの文字が点滅する。

私のように静止した物を絞りを選んで作画する人には使いにくい仕様である(^^ゞ
「CANON JAPAN」 (?_?)  「MADE IN JAPAN」ではない、微妙な表現である、つまり製造は日本ではないと言う事だと思うのだが、ある意味詐欺みたいなものか。

EOS Kissには「MADE IN TAIWAN]とある。
 
 とにかく半田付けばかりが多いカメラで、機械的に苦労する部分はまったくと言って良いほど無く、半田付けが得意なら、これほど簡単なカメラは無いかもしれない。
そう言う意味で修理が完了しても達成感の少ないカメラであるが、強度を必要とする部分には金属が必要十分に使われていて(ミラーボックスや三脚ネジ部など)モーターやピニオンなども十分な強度を有する物が使われるなど、コスト最優先ではない印象を受けた。