you-1さんの書き込みから抜粋させていただきました。


画角10mmの違い



Canon AF35-ML 40mmF1.9 コニカセンチュリア800
トムさん、14日は宜しくお願いしますm(--)m。
今日はちょと画角に付いて少しだけ、
私のペンタ君の常用レンズは35mm2.8・50mm1.2と1.4・F135mm2.5とF3.5です。
私のカメラ選びの基準は単レンズです、画角が10mm違うだけで被写体のパースペークティブ(遠近感)が全く違うからです。




PENTAX SuperA 50mmF1.4 コニカセンチュリア800
ズームレンズを使い慣れてしまうと、自分が動かなくても被写体に寄ったり引いたり出来ます。
これは便利な反面、相手との間合いが離れたり近寄りすぎたりする事で画面に緊張感が無くなってしまいます、
50mmは画面に主題を入れてどれだけ盛り込むか、40mmは35mmで撮れる画角からどれだけ差し引けるかと考えながら撮っています。
ファインダーはフルオートで撮れるならば表示もスプリットも無い方がいいのですが・・
みなさんどう思いますか。





神授比例法
黄金分割は美術界ではとても重要な絵の比率の展開法で、多くの画家は黄金比を非常に気にして書いています、セザンヌやゴッホの印象絵画はもちろん、ピカソのキュビズムの絵もこの比率解析法を使うと全て意味のある位置に配置されている事が研究から解っています。
みなさん、画角10mmの違いの中で「日の丸構図」と言う言葉が出てきます、日の丸構図とは被写体をセンターに置く静的な構図の事を言います。これに対して美術学校などで習う「黄金分割」があり自然界や人間の構造がこの比率で展開されていると古代から提唱されて来ました。私は必ず写真にこの法則を写真に適用しなければいけないと言うのでは無く、実践で「黄金比」が私にとって役だっていたと言う事を今回は書きたいと思います。

「黄金分割」「神授比例法」とはいったい何なのか、ほんの入り口だけ紐解きます。
まずはある四角形の内包されている対角線をそのまま一辺の上に重ねます、対角線の長さがもちろん一辺より長くなりその一辺の長さより長くなった分だけ二辺を伸ばし四角形を長方形にした長方形を√2矩形と言って、美術界ではこの長方形の事を「調和の門」と呼んでいます。
一般社会で紙の比率、A列B列などはこの√2の比率になっているので新聞、雑誌などは全てこの比率の中に写真や文字をレイアウトしている事になっています。

それから、四角形の中に三角形を書くと一角が1/2に頂点が来ます。頂点に接するこの三角形の一辺を頂点から四角形の一辺に沿わせ、二辺を伸ばします。出来た矩形を近似値φ(プヒー)矩形と言います。これは正確には√5矩形で比率は1.732、近似値的黄金比なのですがφ矩形と同じ扱いになっています。ここで黄金比の正確な数値の求め方を展開すると二ページ分の文章を書かなければいけないしそれが重要では無いと思われるので結論の比だけ記述します、黄金比 φは1.618です。

さて先ほどの√2矩形に人間を天地切りで入れます、これだとずいぶん窮屈ですね、それで黄金分割分だけ長く展開した長さ分だけ天を開けてみます。これで、全身を立て位置、最大の大きさで何とかバランスを取れる撮り方になりました。しかしこれでは足の部分が詰まっていますがこの位置で重要なのは奇しくも人間の臍の位置がφ矩形の1/2の位置に来ている事に注目して下さい、この臍の位置をずらさす引いてみたら、あらま、不思議、天地と人物のバランスがいつまでもとれているのです(人物の範囲で)。

「アイレベルとウエストレベルではそう大して違い無いじゃない」と聞こえて来そうですが商品撮影の時など物の形を正確
に伝えなければいけない、建築写真などは建物が見た目と違ってもまっすぐ建っていなければいけない、そんな時はテ
クニックが必要になってきます、営業写真館も7等身の人が6等身に写っていたら、それが意図ではなければ「へたくそ」
だと言われるでしょう。

人間が立ってカメラを構える時にたいがい目の位置にカメラを持って来ます。この撮影ポジションの位置を私はアイレベ
ルと言っています、アイレベルでのぞくと背の低い人と高い人ではカメラの覗く位置はずいぶん変わって来ます、逆に被
写体が低いか高いかでも覗く位置が違うでしょう、ここで重要な事が一つありますそれは「人はアイレベルで覗く時は自
然とカメラを上下に傾けている物なのです」。傾けると何が起こるか、それは物が「ゆがむ」のです。営業写真館ではアイ
レベルでは写真はほとんど撮りません、基本的にはウエストレベルから縦位置で写真を撮ります、このウエストレベルの
事を私は「人物写真の門」と言っています。
普段のカメラテクニックから「黄金比」を取り入れて見ましょう。
ここまで二つの事柄についてのべましたが自分はアマチュアだからそんなの知らない方が良いと言う事ではなくて、知っておくと便利ですよ、写真のバランスが良くなりますよ、と言いたいのです、さて仕上げに移りましょう。

アイレベルで横位置で人のタイトなバストショットを撮りました、ん〜これでパスポートはOKです、写真表現で人物はやっぱり縦位置で撮りたいですよね〜(・_・)<ねっ。
そこでアイレベルでカメラを90度回転させます、you-1に言われたようにカメラを傾けないようにと・・「あれ!」、天がすごく開いてしまいました、そこでカメラを下に向けたい所をじっと我慢して、カメラの水平を保ったまま足の膝を折りウエストレベルの近くまでカメラを水平移動します。自分で天の位置をどこかに決めようかな〜と思ったその時、そこでまた私の神授比例法「黄金比」の事を思い出して下さい。ゆがみの無いバランスの取れた写真が出来上がる事請け合います。

この撮影法の秘訣は今まで私の心の中で培って来たものです、人から教えられた物ではありません、若い人は特にそうだろうと思うのですが、ワイドでそれだけ突っ込んだ撮影を延々とやる事の延長線上には決して若い体無しで出来ない事が起こるでしょう、この文章は、それを実践して亡くなられた写真家の神山洋一さんに見て貰いたかった物です。長々と説明したのですがお袋の便利な知恵だと思って片隅に置いていただけれ幸いです。